しゃぼん玉、とんだ。「十五夜お月さん」も凄いですが、この詩もなかなか奥が深いです。「...生まれてすぐに、こわれて消えた」というのは、野口雨情さんがとても可愛がっていた親類の子が、病気で亡くなったことを、歌い込んだものだといいます。かつて高石友也さんは、これを「間引き」の歌として紹介しました。冷害が東北地方を襲い、生まれてくる子どもを殺して親たちが生き延びてきた、そんなことを歌った歌だと。
屋根までとんだ
屋根までとんで、
こわれて消えた。しゃぼん玉、消えた。
飛ばずに消えた。
うまれてすぐに、
こわれて消えた。風、風、吹くな。
しゃぼん玉、とばそ。