ギターデュオでアレンジ致しました。だいたいピアノの右手が第一ギター、左手が第二ギターですが、ギターはピアノより音域が狭いもんですから、適当にオクターブ下げたりしまして、鳴らしてみると音がスカスカだったので、これまた適当に厚くしてみました。
この曲は全部で4つの部分から構成されておりまして、さらにそれぞれが A-A-B-B-A とかで繰り返しが多く、コピー&ペーストでは飽きてしまうので、なるべく同じ演奏が続かないように努力致しました。でも元の音につけ加えていくだけでは変化が乏しいので、4曲めでは三連符でアドリブやってます。
でもって、てっきりウィンナワルツだと思ってたのですね。実は。ところがウィンナワルツって、確かテンポが速くて、2拍めだか3拍めだかが早いか遅いか強いか弱いか長いか短いか...だったなぁと思いつつ、2拍めだか3拍めだかが早いか遅いか強いか弱いか長いか短いかが思い出せず、しかも家にはウィンナワルツのレコードがなくて、近所のCD屋にもこの曲のCDがなくて、スーパーでウィンナソーセージを買ってもしようがないので、喫茶店でウィンナコーヒーは高いのでやめて、某パティオでウィンナワルツは2拍めにアクセントがあるというようなことを教えていただいたものの、その通りにしてもなんかしっくりこないところがあって、ようやく銀座山野楽器でこの曲の収録されたCDを見つけて、買ってみたわけです。んでもって出谷啓さんの解説を読んで、火っ栗仰天。天を仰いで地に伏して、匍匐前進で後ずさりしてしまったですよ。
ウィンナワルツではなく、フレンチワルツなわけですね。明治の鹿鳴館時代はオーストリア-ハンガリー帝国との国交があまり密ではなく、むしろワルトトイフェルのフレンチワルツの方がポピュラーであったそうな。しかも...
- 作曲者 ワルトトイフェル(1837-1915)は、ストラスブール生まれのフランス 人で、パリ音楽院では、ビゼーやマスネの学友だったそうです。
- 1865年にフランス宮廷舞踏楽長の地位に就いたが、1867年パリ万国博のとき にウィーンからヨハン・シュトラウスが「美しく青きドナウ」をひっさげて パリに乗り込んできたため、これに対抗すべく「スケーターズワルツ」「女 学生」「スペイン」などの名作を次々に書いて、1870年ごろには逆にウィー ンになぐり込みをかけたのだそうです。
- ウィンナワルツが2拍めにアクセントを置くのに対し、ワルトトイフェルの ワルツは、もっとストレートな3拍子に特色があるそうです。
CDの曲目解説にはしっかり「典型的なスパニッシュワルツである」とまで書かれておりまして、固く開いた三つの目から大粒の鱗がこぼれ落ち、思わずくしゃみをしてしまいました。でも、そーゆーことは気にせず、何も知らずに最初に作ったデータをごみ箱から拾い出して、何くわぬ顔をしてアップロード致しました。
- 一般にこの曲は「女学生」と呼ばれていますが、これは明らかな誤訳で、"Estudiantina" はスペイン語で「学生のオーケストラ」という意味なのだそうです。
- さらにこの曲は彼の作曲ではなく、編曲作品なのだそうで、オリジナルのスコアには「ポール・ラーコムの二重唱およびスペインの民族的な旋律による」という副題がつけられているそうです。ラーコムというのは当時活躍したシャンソンの作曲家だそうです。
- で、CDを聞いてみると、カスタネットがチャカチャカとにぎやかに鳴って、テンポも速く、まさにスパニッシュな曲だったのです。
GM System On と GS Reset を入れてあります。音色いじったり変な音(フレットノイズとかハーモニックスとか)使ったりはしておりませんので、普通に GM で再生していただけます。また Format 0 で保存しましたので、WEB 上でストリーム再生することも可能です。なお、SC-88 のナイロン弦ギターの音は硬くてボリューム感がないので、SC-88 をお使いの方は、ご面倒でも SC-55 マップにしてお聞きいただくとよろしいかと存じます。