靖国神社は明治2年に、戊辰の役で亡くなった人びとをおまつりするために、明治天皇が建てた 東京招魂社 がその前身で、明治12年に「靖国神社」と改名されました。現在おまつりしている神様(つまり戦死者)は、吉田松陰、高杉晋作、坂本竜馬らを始め、2,466,000柱を超えるそうです。境内には1,000本の桜が植えられ、気象庁はここのソメイヨシノを調べて、東京の開花宣言をしているのだそうです。
また 遊就館 と呼ばれる展示館には、靖国神社の宝物や戦死者の遺品が展示され、特攻機「桜花」、艦上爆撃機「彗星」、人間魚雷「回天」、九七式中戦車などが目をひきます。
「九段の母」は、戦死した息子がまつられている靖国神社に、たぶん東北地方からおまいりに来た母親を描いたもので、昭和14年ごろの歌だそうです。歌われている大鳥居は大正8年に誕生しましたが、老朽化したため昭和18年に撤去され、WRD 画像で紹介しているものは昭和49年に再建されたもので、高さは 25mあるそうです。
作詞の 佐藤富房 さんは、明治33年室蘭の生まれで、本名 佐藤久助。テイチクレコードでは能代八郎 というペンネームも使ったそうです。
詞では息子の戦死を名誉なことだと歌っていますが、私はこの曲を聞くと、そのことばとは裏はらに、母親の悲しみ、戦争のむなしさを感じます。むしろアンダーグラウンドで歌われていたという「のんき節」に歌われた心がその真情ではなかったかと推測します。
のんき節 (PD)今回はギター2本とフルートという三重奏でアレンヂ致しました。ハーモニックスを使っちゃったもんで、SC-88 以上対応データとなりました。GM/GS でお聞きの場合はTr.3 をミュートしていただくとよろしいかと存じます。
添田唖蝉坊:詞/曲名誉名誉と おだてておいて
大事なせがれを むざむざと
鉄砲の餌食に だれがした
もとのせがれに して返せ
上野駅から 九段まで
かってしらない じれったさ
杖をたよりに 一日がかり
せがれきたぞや 会いにきた空をつくよな 大鳥居
こんな立派な おやしろに
神とまつられ もったいなさよ
母は泣けます うれしさに両手あわせて ひざまづき
おがむはずみの おねんぶつ
はっと気づいて うろたえました
せがれゆるせよ 田舎もの鳶が鷹の子 うんだよで
いまじゃ果報が 身にあまる
金鵄勲章が みせたいばかり
逢いに来たぞや 九段坂