広瀬中佐

--- A Commander Hirose ---
【  曲 名  】広瀬中佐
【 作曲者名 】不詳
【 作詞者名 】不詳
【アーティスト】(文部省唱歌)
【データ作成者】蛞蝓なめちゃん (odasan@ma.catv.ne.jp)
【 データ形式 】標準MIDIファイル(.MID) Format 0 :Timebase=120
【 作成ソフト 】Cakewalk Proffessional for Windows95
smfpt (SMF Format Checker)
【 画像ソース 】---
【 対応音源 】SC-88 Pro

日露戦争のとき、旅順港閉塞作戦というのがございました。旅順というのは、中国リャオトン半島にある港町で、日清戦争で日本が占領したものの、三国干渉により手ばなさざるを得なくなったところです。ところがここを、不凍港を求めるロシアが租借し、やがて日露戦争に突入したわけですね。

ロシアの強大なバルチック艦隊が旅順港に入港してしまうと、日本は不利になりますから、日本軍は、その前にこの港町を落としてしまいたかったわけです。ここには二百三高地というステッセル将軍の守備するゆーめーなロシアの要塞がございまして、簡単には攻略できない状況でした。

そこで、港の入口に不用になった船を沈めて、湾を封鎖しようとしました。これが旅順港閉塞作戦です。作戦は闇に乗じて行われたのですが、広瀬中佐(当時少佐)の乗った船は、敵の砲撃を受け、大きな被害を受けます。総員退船というときに、部下の杉野兵曹長の姿が見つからないため、広瀬中佐は、傾きつつある船内を捜します。でも見つからない。あきらめてボートに移ったその瞬間、敵弾により、広瀬中佐は戦死してしまうわけです。

おぉ、なんと部下思いの上官であろうかと、広瀬少佐は死後中佐に特進し、軍神として、歌にうたわれるようになったのです。

結局作戦は失敗し、乃木希典が7ヵ月にわたる苦戦の末、二百三高地を占領し、要塞砲で港内の敵艦を砲撃。ようやく陥落したのでした。二百三高地攻略作戦による日本軍の死者は約6万人。この中には乃木大将の二人の子息も含まれています。

このデータは、大正元年12月発行「尋常小学唱歌(四)」を派手にアレンジしたもので す。作者はよく分っていません。

轟く砲音 飛来る弾丸。
荒波洗う デッキの上に、
闇を貫く 中佐の叫。
「杉野は何処、杉野は居ずや。」

船内隈なく 尋ぬる三度、
呼べど答えず さがせど見えず。
船は次第に 波間に沈み、
敵弾いよいよ あたりに繁し。

今はとボートに うつれる中佐、
飛来る弾丸に 忽ち失せて、
旅順港外 恨みぞ深き、
軍神広瀬と 其の名残れど。

広瀬中佐の歌は、ほかにもあります。

「広瀬中佐」大和田建樹:詞/納所弁次郎:曲
「広瀬中佐」巌谷小波:詞/小山作之助:曲 (「日本海軍」と同曲)
「軍神広瀬中佐」大和田建樹:詞/田村虎蔵:曲
まさに国民的ヒーローであったようです。今どき個人をたたえる歌なんて考えられないですね。

SC-88 Pro に、"Big Shot" という音がありまして、要するに大砲の音なのですが、使ってみたかったわけです。このままだと他機種では "鳴らない" か "Gun Shot" になってしまうので、GS 汎用とするために、せめて"Explosion" になるようにしようと骨を折ったのですが、結局くたびれ儲けでした。よって、このデータは SC-88 Pro 専用となってしまいました。もちろん音楽部分だけなら GM で再生可能です。