無線LANでCATVインターネット

--- Wireless LAN and CATV Internet ---

2001/02/07
2001/02/17


へっへっへ。とうとう我家ではCATVインターネットと無線LANを導入したのであったのであった。えっへん。
嬉しいので自慢しちゃうんだもんね。導入を検討されている方には参考になるかも知れないし、ならないかも知れない。そもそも東急ケーブルテレビのインターネット接続とMELCOのエアステーションについて書いているので、他のCATVやメーカーには当てはまらないかも知れない。

ケーブルモデム(左)と、エアステーション(右)


プロローグ

えー、莫大な負債を抱えつつ、めでたく新築マンションに引越したわけですが、ケーブルテレビの配線が既にございまして、これを使ってインターネットに接続するというサービスをケーブルテレビ屋さん(東急ケーブルテレビジョン)がやっております。

我家では、親子3人がそれぞれ自分のPCを持っておりまして、今までは1本の電話回線をめぐって壮絶な争いがございまして、電話代だけでも月間一万数千円、接続料を含めると2万円くらいかかっていたのでございます。しかも、いつの間にか怪しいサイトに接続して国際電話を勝手にかけて一万数千円の身におぼえのない請求書が来たりしておりまして、CATV接続は、必然だったのでございますねん。

TV端子は電話端子同様、各部屋の壁に埋め込まれています。親子3人が別々のPCで使うには、それぞれの部屋のTV端子を使えばよいわけですが、それではケーブルモデムが3台---すなわち3契約必要になります。

で、けちんぼの私は1契約で3人が使うことを考えたわけです。しかし、ルータを入れてケーブルモデムから各PCに分岐させる方法では部屋から部屋へLANケーブルを引き回さねばなりません。電話のケーブルはドアの隙間にも通りますが、LANケーブルは 太いので、ドアに穴をあけなくてはなりません。

今まで住んでいた築15年の賃貸マンションでは、電話のモジュラージャックが2ヵ所ありましたが、両方につなぐと混線するため、ひとつのジャックから分配器を通して、電話ファックスと3台のPCに分岐しておりました。赤い線が電話線で、PC-1が JCS Vintage VC-5133P, PC-2が富士通 FMプリシェ220, PC-3がソニーの VAIO PCV-M330です。

この分配器は、接続されている機器のどれかひとつしか通さないようになっておりまして、だれかがインターネットにつないでいると、他の人はインターネットも電話もできなかったのでございます。

LANケーブルを引回す案は、あっさり否決されました。で、浮上してきたのが無線LANだったのでございます。


ケーブルテレビの料金

東急ケーブルテレビのインターネット接続料金は、このようになっています。

加入時加入契約料無料
ケーブルモデム取付費7,500円
月額インターネット基本サービス5,200円
ファミリーパック1,000円
ダイヤルメールサービス320円

このマンションは、建築の際に共同受信設備としてCATVと契約をしているので、加入契約料は無料になっています。インターネット基本サービスは、2台め以降も1台あたり5,200円必要ですが、テレビサービスとセットの場合は、2台め以降が3,200円です。ファミリーパックはメールアドレスを5つまで持てるのと、ホームページが10MBまで開設できるサービスです。でもCGIは使えません。ダイヤルメールサービスは、外部から電話回線でCATVのメールサーバにアクセスできるサービスで、接続時間は3分以内という制限があります。

で、3契約すると、加入時に 7,500×3=22,500円。初期費用としては、これにLANボード(@1,000〜数千円)が加わります。3台のPCのうち、1台はPCカード(PCMCIA)専用なのでLANのPCカード、また2台はPCIスロットに刺すLANボードです。基本サービスだけで毎月5,200×3=15,600円が必要です。無線LANを使って分配する場合には、加入時7,500円と、ファミリーパックを含めて月額6,200円ですみますが、無線LANの設置費用が必要です。


CATVインターネットの接続

CATVインターネットでは、電話線ではなく、アンテナ端子に接続します。もちろんアンテナ端子とは言ってもその先はCATV局につながっているわけです。

放送受信の際にはテレビ受像機がつながるところに、ケーブルモデムという専用のモデムを接続し、そこからLANケーブルでパソコンとつなぎます。パソコンにはLANを接続するためのボードが必要です。

壁のTVコンセント(アンテナ端子)からケーブルモデムまでは、太い同軸ケーブルを使います。通常コンセントのスイッチは「片方向」になっているそうで、これを「双方向」に変更し、CATV局の送出し側も「双方向」に設定する必要があるそうです。だから、ケーブルモデムを設置する部屋を変更して、使用する端子を変えると、使えなくなる場合もあります。

ケーブルモデムからパソコン(LANボード)までは、ストレートの10BASE-T対応LANケーブルで接続します。ケーブルは工事費に含まれています。


無線LANの費用

無線LANの場合、我家ではこのような接続になります。

アクセスポイントというのは、外部(CATV側)との窓口になる機器です。PCから、このアクセスポイントを経由してCATVに接続します。また、アクセスポイント経由でPC間の通信も可能です。3台とも無線という方法もありますが、選択したアクセスポイント(Melco WLA-L11-L)は有線LANの端子が4つついておるので、アクセスポイント近くのPCは、有線接続することにしました。

また、MELCOの場合、PCに刺す無線LANのアダプタはPCカードになっており、PCカードスロットのないデスクトップ機では、PCカードを使うためのボードが必要になります。ISA用, PCI用, USB用のアダプタがありますが、我家では3台ともいまだにWindows95環境なので、PCIバスに接続することにしました。

無線LANは数社から発売されていますが、検討したのはMELCO(Buffalo)COREGAの2社です。いずれもホームページからカタログや使用説明書をダウンロードすることができます。

デバイスMELCOCOREGA
アクセスポイント WLAR-L11-LAPRS-11
35,000円32,800円
無線LANカード WLI-PCM-L11PCC-11
14,800円14,800円
無線LANボード WLI-PCI-L11PCIA-11
20,800円19,800円

ヨドバシカメラ、Laox等で調べましたが、他のパソコン機器と違って、実売価格はほとんど値引がありません。せいぜいポイント還元を期待する程度です。また在庫が少なく、注文して取寄せてもらわねばなりません。私は近所の量販店にCOREGAを注文しました。

ところが、PCIに接続するためのPCIA-11が、カタログ上2000年12月発売予定であったにもかかわらず、発売が2001年2月下旬になりそうだという連絡が販売店からあり、全部キャンセルして、MELCOでそろえて再注文したのでした。アクセスポイントと無線LANカードは、別のメーカーでも使用可能ですが、トラブルがあった場合、メーカーをそろえておいた方がサポートを受けやすいという理由です。

品名 型番 単価 数量 金額
アクセスポイント WLAR-L11-L 35,000円 1台 35,000円
無線LANカード WLI-PCM-L11 14,800円 1枚 14,800円
無線LANボード WLI-PCI-L11 20,800円 2枚 41,600円
合計 91,400円

これに5%の消費税がついて、1割弱の金券をもらいました。実質86,970円でございます。 ところが実は落とし穴がございまして、MELCOの場合、有線LANも接続できるのですね。 そうすると無線LANボードは1枚でよいわけです。このあと設定がうまくいかなくて、 念のためにと有線のLANボードも買っちゃったわけですが、これがCOREGAの(笑)PCI-Tというボードで、僅か950円でした。

結局、このような接続に落着きました。


無線LANの工事

ケーブルモデムは、工事の人が設置・配線・チェックをしてくれますが、それはパソコンに接続するLANケーブルまでで、それをパソコンにつないで、あれこれ設定するのは自分でやらねばなりません。ケーブルテレビの会社によっては、複数のPCでの利用を認めないところもあるそうですが、東急ケーブルテレビジョンでは、家庭内利用に関しては認めています。しかし、無線LANでの分配はサポート対象外になっています。


エアステーション

それぞれのPCに無線LANカードを刺せば、ピアツーピアで相互の通信が可能になります。 でも、外部の有線LAN(CATV側=WAN)と接続するには、アクセスポイントといわれる装置が必要になります。MELCOでは「エアステーション」という名称です。これにはISDN接続用のものとCATV&xDSL用のもの、通常の有線LAN接続用のもの、アナログ電話回線接続用のものなどがあり、CATVにはCATV用のものが必要です。なお、複数のPCから同時にインターネット接続するためには、ルータおよびIPマスカレードという機能が必要です。

無線LANカードを搭載したPCだけを使うのであれば、エアステーションとケーブルモデム間をLANケーブルで結べば接続は終了です。WLAR-L11-Lという機種は無線に加えて有線LANのジャックが4つあって、そこにつなげば有線なら4台まで同時使用が可能です。無線では規格(IEEE802.11b)上250台まで接続可能ですが、1台のアクセスポイントに接続するのは30台程度までに抑えた方がよいそうです。

エアステーションの設定は、接続された無線または有線のLANを通じて、パソコンで行ないます。エアステーション付属のCD-ROMからエアステーションマネージャをインストールして、その画面であれこれ設定をします。ブラウザにフォームが表示され、それをエアステーションに送信するようになっていまして、エアステーション自身がひとつのWEBサイトのようになっています。

ほとんど初期設定のままでだいじょうぶですが、「詳細設定」の「IPアドレス自動割当(DHCPサーバ)設定」で「IPアドレスをLAN側に使用する」にチェックを入れること、同じく「詳細設定」の「アドレス変換設定」は「IPマスカレード機能」を「使用する」にチェックを入れる必要があります。また、GROUP名は適当に変えてつけ直しましょう。ご近所でエアステーションを初期設定のまま使っていたら、IPアドレスが衝突する可能性があります。


無線LANカード

FMプリシェ220(PC-2)の場合、PCカードスロットが2つ付いています。どちらかに無線LANのカードを刺せば取付けはおしまいです。あとは無線LANカードに付属のフロッピーディスクからドライバを、またエアステーションCD-ROMからクライアントマネージャをインストールします。

SONY VAIO PCV-M330 は、PCIのスロットが2つあり、ひとつはAdaptecのSCSIボードを刺しておりました。空いているスロットに無線LANボードを刺したのですが、認識しません。IRQが衝突しているようです。説明書にも、「Windows95ではIRQの割当てに失敗しているくせにうまくいっているように表示されることがある」という意味のことが書かれております。結局、SCSIを抜いたらうまくいきました。CATV接続ができたので、近日中に 使わなくなった電話モデムを抜いて、SCSIを復活しようと計画しています。

無線LANカードは、PCMCIA(PCカードスロットII)に刺します。サイズは奥行117.8mm, 幅53.95mmで、高さは5.0mmです。ただし手前に突起部があり、この部分の厚みは8.7mmあります。PCカードスロットが隣接している場合、これが邪魔になることもありますから、刺す位置を考えましょう。

こんなもんで通信できるわけですから、すごいもんですね。


説明書

東急ケーブルテレビの説明書。
44ページ。Windows98とMacintoshでの設定の仕方が書いてある。
ケーブルモデムの取扱説明書。
表紙とも8ページ。TERAYONというメーカーのもの。
エアステーション付属の説明書。
197ページ。これ一冊でWindows95/98/Me/2000/NT4.0に対応。
場合に分けてかなり詳細に記述されている。
無線LANカード付属の説明書。
74ページ。版型が小さく、字も小さくて年寄りは読みにくい。
無線LANカードPCIバスアダプタ付属の説明書。
32ページ。説明書本体はWindows95/98/NT4.0用だが、
別冊でWindows2000/Me用の説明書が付属。

裏側

あんまり見せてくれないけど、いちばん気になる裏側です。

ケーブルモデム

 

端子は3つあります。

一番上の白いケーブルがつながっているところはCABLE端子。
アンテナ(CATV)側から同軸ケーブルをつなぐところです。

二番めの黒いのはDCIN 12V で、要するに電源です。
右に見える黒い箱が電源アダプタで、
その先は電源コンセントにつながっています。

一番下の灰色のケーブルはPCのLANボードに刺すものですが、
我家ではエアステーションにつながっています。

 
エアステーション

 

一番下の黒いのはDCIN 6-7V。電源です。
電源アダプタからコンセントへの差込は、
トランスから直接ACプラグが出ているので、
他のコンセントが使いにくくなります。

その上はケーブルモデムからつながっている
灰色のLANケーブルです。
エアステーションのWAN側窓口ですね。

その上は暗くて見にくいですが、
LANのジャックが4つ並んでいます。
有線LANのHUBです。一番上だけ使っています。
ここからわしのPCにつながっておるのです。

機器の裏側というのは、たいていケーブルだらけで
みっともないですが、後部カバーを取付けると、
多少美しくなります。

えっと、ケーブルモデムは横置きの他、付属のスタンドを使って縦置きができます。我家では縦置きにしています。縦置き時のサイズは 幅44mm, 奥行204mm, 高さ173mmです。このページ先頭の写真の通り、エアステーションと同じくらいの大きさです。


無線の到達距離

仕様上、2Mbpsで屋内50m, 屋外115m。11Mbpsで屋内25m, 屋外50mということになっています。屋外は間に遮蔽物がなく、見通しできる場合です。我家では、エアステーションに無線接続している2台のPCは、いずれもステーションからの距離が約9mあります。間にクロゼット、洗面所のでかい鏡、トイレなどをはさみ、扉・壁は4枚くらい通過していますが、マンションの部屋を仕切る壁というのは薄いですから、全然問題ないです。

モバイルコンピュータがないもんで、どこまで届くかという実験ができないのが残念です。


使い勝手

当初E-mailの発信に随分時間がかかっていました。メールサーバの応答が遅く、CATV側の問題かと思っていたのですが、そうではありませんでした。2月に入って、MELCOからWLAR-L11-Lファームウェア更新のお知らせが来たまして、早速ダウンロードして書換えました。新しいバージョンでは「メールサーバ等への接続が遅い対策の設定を、出荷時設定及び簡易フィルタ設定に追加しました。(詳細設定−パケットフィルタの中にて、「Identパケットへの応答を返す」フィルタをデフォルトに追加。)」したそうで、問題は解決しました。

まだつづく (かも知れない)


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